株式会社LIXIL
公開日:2023年2月1日
住宅建材メーカーだからこそできること。製品と事業を通じてCO₂ゼロと循環型の暮らしの実現を目指す
LIXILは、環境ビジョン「Zero Carbon and Circular Living(CO₂ゼロと循環型の暮らし)」を掲げ、2050年までに事業活動と製品・サービスによるCO₂排出量を実質ゼロにすることを目指しています。
直近では、原材料にアルミリサイクル材を使用することで大幅なCO₂排出量削減に貢献する「PremiAL(プレミアル)」や、これまで再資源化が困難だった複合プラスチック・海洋プラスチックをはじめ、あらゆる廃プラスチックと廃木材を融合した新素材「レビア」から生まれた舗装材「レビアペイブ」の販売を開始。
また、営業や従業員による温度について考えるきっかけとなる環境への啓発活動「THINK HEAT活動」では、高断熱商品などの売上の一部で保育園にスタイルシェードを設置する「窓からECOシェアプロジェクト」、地域の学校で自然の力を生かした健康と環境が両立できる快適な住まい方が大切であることを学ぶ「出前授業」を行っています。
事業を通じた環境課題の解決に取り組んでいるほか、これから未来を担う若者や子供たちに、水の恩恵と限りある資源の重要性を伝えている企業です。
お話を伺った人 -INTERVIEW-
LIXIL Housing Technology 営業本部 甲信越支社 主幹 須藤隆行さん
「グローバルな衛生課題の解決」「水の保全と環境保護」「多様性の尊重」の3つの領域を「LIXIL’s Purpose(存在意義)」と位置づけ、重点的に取り組むことで環境課題の解決を目指すLIXIL。
原材料の調達・製品の製造・使用、そして廃棄までの製品ライフサイクル全体において、持続可能な利用や資源循環の取り組みを全社で推進しています。
積極的に事業を通じた環境課題の解決に取り組んでいるLIXILの具体的な取り組みと今後について、甲信越支社主幹 須藤様にお話を伺いました。
LIXIL様が環境保全や省エネ、地球温暖化対策に取り組まれたきっかけは何ですか?
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国が2050年までにカーボンニュートラルを目指すという指針を立てている中で、企業にも脱炭素経営やESG経営が求められています。
こうした環境の中、住宅建材・設備機器を製造・販売する事業者として我々に何ができるか、どうしていくべきかを考えた時、LIXILの専門性を活かし事業活動を通じて環境・住まい・暮らしの課題を同時に解決していきましょう、と。
特にLIXIL製品は、使用期間が長く社会に与える影響が長期に渡る製品が多いため、高い断熱性能や省エネ・節水機能などを有する製品・サービスによってCO₂排出削減に貢献できる領域が大きいと考えています。
例えば、製造時のCO₂排出量が少ないリサイクルアルミ建材を使用いただくことで、建物建築時のCO₂排出量を大幅に削減可能です。
こうした製品の開発や使用を推進し、同時に環境や省エネを考える啓発活動「THINK HEAT」に取り組むことで、国の方針や社会課題の解決にも一致していくのではないかと考えています。
会社としての環境やゼロカーボンへの取り組みや、製品にどう活かされているのかお聞かせください
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LIXILでは、「気候変動対策を通じた緩和と適応」「水の持続可能性を追求」「資源の循環利用を促進」の3つの領域と通じて「Zero Carbon and Circular Living(CO₂ゼロと循環型の暮らし)」を目指し、社会課題の解決に取り組んでいます。
製品で言えば、高性能窓やドア、高性能パネル、スタイルシェードや節水製品の開発や販売によって環境負荷の低減が可能です。
例えば窓や壁、床を高性能な製品に置き換えると、室内の熱の出入りを軽減でき、快適性と省エネが両立できます。
そのほか、住宅用建材、ビル用建材として需要が大きいアルミ資材の循環利用として、使用済みのアルミを再度溶かして再資源化した製品「PremiAL R70」を開発し、先日販売を開始しました。
アルミは新地金の製錬時に大量のCO₂を排出してしまいますが、PremiAL R70は原材料の70%にアルミリサイクル材を使用した低炭素型アルミ形材ですので、新地金を使用した製品に比べて材料由来のCO₂排出量を55%削減できます。
また、製品だけではなく「窓からECOシェアプロジェクト」や「THINK HEAT」といった環境保全に関する啓発活動を行ったり、サプライチェーンとの取り組みとして、共同配送により配送トラックの数を減らす、自社での太陽光エネルギーを活用するといった取り組みも行っています。
長野市での活動の現在と将来についてお聞かせください
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市内や県内の小学校で「健康と環境に良い住まい方授業」と題して、模型を使って窓の違いによる室内温度の違いや、風の通り方を体験して頂く「出前授業」を行っています。
また、我々が販売した高性能窓や断熱ドアを販売した際の売上の一部をスタイルシェード(外付日よけ)にして、市内の保育園に寄付する「窓からECOシェアプロジェクト」を行っていて、2021年には、長野市の西部保育園へスタイルシェードを寄付させていただきました。
こうした活動がきっかけで、省エネルギーを中心としたリフォームを行う長野市の「長野市スマートハウス化応援隊事業」にお声がけいただき、イベントでの環境PR活動のお手伝いをさせていただいています。
今後も住宅建材メーカーとしてより環境負荷の小さい製品を製造し、営業がその良さをお客様に提案・周知することで、お客様に快適な住環境を提供しながら地球環境に貢献できればと思っています。
これから省エネや地球温暖化対策に取り組む企業に対して、メッセージをお願いいたします
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何よりも大事なのは「我慢するエコは長続きしない」という点です。
企業側が頑張って、我慢して省エネや地球温暖化対策をするような、「やらされる活動」では長続きしません。
木を植えるといった大きな活動をしなくても、ちょっとした一工夫で簡単にできるところから始めて見てはいかがでしょうか。
建物の条件や環境にもよりますが、社内の窓を内窓や二重窓に変えることによって、冬場の室内の熱損失が抑えられ、電力使用料が約40%カットされた事例も報告されています。
これにより、省エネや地球温暖化対策に貢献できるだけではなく、暖房費や電気代といったコストが削減でき、企業側にとってもメリットがあるため、無理のないエコ活動が可能です。
こうした取り組みには市や県から補助金が出ることも多いので、うまく活用していただければ、より小さな負担でエコ活動ができるのではないかと思います。
また、1つの会社だけで頑張るのではなく、横のつながりを持つのも大事です。
例えば事業所のエネルギー削減に関しては、弊社にご相談いただくといったように、各企業がそれぞれの得意分野を活かして他の会社と交流・連携し、さらに長野市や長野県も含めた全体で1つのチームとして地球温暖化対策に取り組んでいければと思っています。
【LIXILのECOへの取り組み】https://www.lixil.co.jp/corporate/sustainability/eco/
【長野市地球温暖化防止活動推進センターから】
ページをご覧いただきありがとうございます。長野市地球温暖化防止活動推進センターでは今後の温暖化防止活動の参考と「エコステップながの」をより使いやすいものとするため、アンケートをお願いしています。下記のアドレスのアンケートフォームにご記入をお願いいたします。